私が勤めた職場は人からは安定している、と思われていた。入った当初はバブルで好調な企業の方が給料が高く、友人と比較しても収入は少なかったが、その後の不景気でどんどん他企業を追い越して上場有名企業には及ばないものの給料も相当な額になっていた。
そして人件費がかさんで早期退職募集となったわけだが、あくまで募集であり、全く圧力はなかった。
いまでは隠れた人気企業となっているようで安定志向の学生が毎年多数応募してくるらしい。しかし安定していて給料も上がったというのはたまたまでこれからはそうはいかないだろうと思う。
時代にめぐまれたわけだが別に好き好んでそうなったわけではない。単なる偶然だ。
安定はいつか崩れる。しかし誰もが安定を願う。出来れば高値安定を。安定に甘え、少しずつ土台が揺らいでも気づかない、というよりそのふりをする。厳しい想定を見ないことにする。
手を打たなければならないがその手が分からない。分かっても崩れる安定を嫌い先送りされ、その軋みはいつか大きく表面化する。ぐらぐら揺れる。最悪倒れる。しかし、安定の中ではそんなこと想像もつかない。そういう想像のつかない、しかし勉強はできた若い人たちが入社してくる。
そして上司評論家となる。仕事評論家となる。それは仕方のないことだ。
そして流れは自然に決まり、止めることは出来ない。安定が当然という時代ではなくなってしまうのだろうか。
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