さすがに組織非属も三年を過ぎると、帰属根性も抜けてきて、むき出しの個人として自分を意識するようになってきた。もう帰る場所はない。もしも行き詰まったら、帰るのではなく帰属先を始めから作らなければならない。人間関係も一からのやり直しだ。他人の評価を気にしたり、影でいわれている自分のことについて何を言われるかおびえたり、馬の合わない人と組む地獄をまた味あわなければならなくなる。それはもう二度とごめんだが、何処か行くところがあり、何時間か拘束されたほうが余暇はずっと今より楽しく、濃密になる。しかし、濃密でなくても、予定のない、薄味かもしれない、気ままな、外界との通信も極端に途絶えたこの生活にすっかり慣れてしまっている。人の評価もしないし人から評価もされない。それは人間を堕落させるのかもしれないが、心の平安には他人からの雑音をシャットアウトすることが一番の方策であるとこのような暮らしをしていてよくわかる。気にしなければ全く問題ないことをいかに必要以上に気にして勝手に気持ちをすり減らしていたかがよくわかる。とりあえずの活動としては投資のほかにドラムの練習と日に三編の短文を自分に課したが、幸いルーティン化に成功しドラムの少しの上達と七百を越える文章のストックができた。そのかわり見込みを誤り多額の投資損失を出している。ここを乗り越えなければまた何処かに帰属することとなる。そうならないよう、さらに自由道に邁進する所存である。
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