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2020年7月28日火曜日

会議の昼下がり

会議の昼下がり

 

今思えば会議の多い職場だった。会議のための仕事も結構あった。資料は分厚く、上層の会議になるに連れページが増える。幹部会議の資料を閲覧させてもらうと、単行本一冊分越え、堂々たるものだった。そして、その中では企業特有の文法が使われる。本部などはその作文にいったいどのくらい時間をかけていたのだろうか。厚すぎで読めたものではない。まあ、それは私レベルごときのことで、そうそうたる上層部はそれらの膨大な書類を吟味した上で、経営の舵を取っていたのだろう。それらの方針は会議として落とされてくるのだが、午後の会議では私がよく落とされた。ページは開かれたまま、首がガクンと崩れ落ちる。どんなにがんばっても落ちる。おそらく、睡眠時無呼吸で昼に落ちるというサイクルが慢性化していたのだろう。知り合いで強制的に空気を送る装置を夜つけるようになって昼に眠気を感じなくなった、という人がいた。私もそうすれば昼の活動クオリティがもう少し向上したのかなとも思う。やはり知り合いで無呼吸の人は睡眠時間自体も少なかったと思うが、仕事のし過ぎかどうか知らないがガンで若くして死んでしまった。今は、昼の眠気も寝て解消してしまう。会議の昼下がり、ぼんやりと毒でも薬でもない、人の意見を聞きながら、うつらうつらしていた日々が懐かしい。ならば意見を出せと言われればその通りだが、そのころは辞めることばかり考えていた。もう仕方ないか、という気持ちもあった。だからやはり、辞めたのは労使ともに正解だったのだ。

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