かわいい爺
かわいい爺
勤めを辞めると、脳の使いが単調になる。私の場合は、相場の戦略、集計、書き物、様々なものを読んで何かを感じる。何かの工夫を考える、とそのような脳の使い方になるので、考えはしても、何かに対処をする、という使い方は退化してしまった。何かに対処する、というのはたいていトラブル処理で、脳をフル回転させて最善を最速で探さなければならない。自分がしでかしたこともあれば、他人のとばっちりもある。いずれにしても沈静化させなければならない。そういう脳の使い方は心底疲れるし、嫌なことだったが、それをしないことによりなんだか思考が単調になった気がする。白黒決めなければ気持ち悪い。主観に重点が傾く。キレる老人というのは案外そういった今までとの脳の使い方の違いから、世界の中心が自分に移ることにより起こるのではないかなとも思う。今までと違い特にコミュニティの制約もなく、一応、自分の行動は誰にも縛られず自由だ。そして、脳の使い方が自分を主体としたものに傾く。そして、つまらないことで腹が立つ。つい手が出て、気がつくと法廷に立っているなどということも十分あり得る。そんな人を傍聴したことがある。行きずりなら他人の目も別に気にしない。そして老人は嫌われ若者はストレスを溜める。かわいげのある爺を目指したいが、なかなか容易ではない。
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