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2020年8月26日水曜日

その程度の

その程度の

 

年輩者と若年者で商談に出向く。対応する相手は年輩者のほうとばかり話をして、若年者には目もくれない。そのときの若年者が自分だった場合、どう対処するだろうか。私も、若年者だった時、目もくれられない時があった。黙っていると、時々、そちらの方は何のためにここにきたの、などと言われるときもある。下手に口を挟んで黙殺に近い扱いを受けることもある。いずれにしろ、戸惑わされる。このようなシーンはよくあるのではないだろうか。どうすればいいか。相手の度量が低いと思って客観視する。これは、自分の度量もその程度と激しく自己嫌悪に落ち込む危険をはらむ。しかし、そこに気がつければまだ救いがある。私は、いまでこそそんなシチュエーションを客観視できるが、当時、その場ではあからさまに不快を感じていた。まあ、だからその程度なんだなとも思う。そこを前向きに考えて、修行と割り切って相手の話を傾聴し、ひとつだけでも自分の痕跡をその商談において残す、という気概があれば、私もその時点で一皮、ふた皮、向けていたのだろうと思うが、もう遅い。そんなとき、同行した年輩者が、私に向かって気を使ってくれることがよくあった。ありがたいことだと思う。その程度と蔑まされるか、度量の大きさを人に感じさせるか、自分の努力で幾分は変わってくると思われる。しかし、幾分は、としか思えない私がその程度の度量にとどまるのは自明のことと思われる。

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