コンサルタント
退職する2年ほど前からコンサルタントが職場にはいった。ああコンサルが来たか、と思った。コンサルが入るほどか、とも思ったし、コンサルでこの硬直した職場が早々変わるはずもないだろうとも思った。面接をしたり、仕事の検証をしたり。あるとき、私が外回りに出るのに帯同することになった。その人は偶然にも私の姉と同じ高校の出身だった。一気に距離が縮まり、いろいろな話をした。成田方面で昼食の時間となり、この日の昼食代は経費だというのでファミレスの「フォルクス」に入った。フォルクスはめっきり減ってしまい、私の家の近辺にはなくなってしまった。私の中では「ロイヤルホスト」と同列なのだがどこで差が付いてしまったのだろう。フォルクスのハンバーグはみっちりしていて、デミグラスも濃厚だ。ロイホもおいしいけれどフォルクスも負けていない。しかしなんといってもフォルクスのいいところは焼きたてパン食べ放題。店で焼いているパンを何度もお代わりできる。とくに絶品はクロワッサンだ。一口サイズの小振りなクロワッサン。クロワッサンの命はバター。たっぷりとバターが練り込まれて手に取るだけて指にバターが滲みてくる、ここの、クロワッサンは。口に運ぼうとすると焼きたてのいい香りが鼻腔に競り込んでくる。口に入れるとバターの香りがさあっと頬をめぐり、噛むとバターがそのままじゅっと歯と舌にあふれ出してくる。そしてさっと口に溶けてなくなる。口の中には風味が余韻として残る。このクロワッサンは何もつけず、単体でやりたい。または口の中がデミグラスで濃い口になってしまったあとの濃厚すぎる風味の口直しとしていい働きをしてくれる。
つづく
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