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2020年9月1日火曜日

甘いものが嫌い


甘いものが嫌い

 

私は甘い物が大好きだ。甘さ控えめなどと気取らず、しっかりと甘くていい。甘さ控えめの方がおいしい物も中にはある。しかし、チョコレートなどは下手にビターでなくていい。ミルクチョコ、明るい茶色の甘―い奴。舌に溶かすと何か、脳に悪そうな味覚が口いっぱいにひろがり、しばしの官能を頭蓋いっぱいに感覚する。甘い物は癖になるという。普段はあまり口にしない。しかし、しばらく口にしないと舌が欲する。刑務所など、食が自由にならない環境ではどんな悪党も甘いものに焦がれ、とろけるというのは良く聞く話だ。しかし、甘い物が苦手、という人間がいた。直近まで同じ部署にいた。客先でちょっとしたお菓子をもらったりする。そのとき、甘い物が苦手、などといって人にあげたりしている。その様子を見ていつも私は苦々しく思うのだった。まあ、私はその人物を好きではなかったから、何をしたとしても気にくわないのではあるが、甘い物が好きではないことを何だか、アピールしているような気がして、何だ、一体、と感じているのだった。ここまでくると完全に妄想の領域ではあるが、大の男が甘いものを好きではいけないのかい? え? 何かい、そんな甘ちゃんの言うことは聞けねえって言うのかい? などと、よく心で毒づいたりしていたが、今となってはもう一生関わり合うこともあうこともないかと思うのでまあ、どうでもいい。私が快く思っていなかった人間が甘いもの嫌い。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、何をやろうとそいつが不快。そういうの、よくないと思う。が、そんなことは組織では本当によくあることで、組織にいなければその感情は極力排することができる。それだけ。

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