ナットを削る
ヤマハの古いギターで、ナットのない物を以前手に入れた。そして、ナットをどこかから用意してつけてみたが、弦高がたかくて話にならない。そのため今度は溝を切ってみたがすると今度は深く切りすぎて一弦がひびってしまう。ヤマハのオレンジラベル、251という型番。1970年代の二万五千円と思われる。エントリーモデルの二つ上くらい。このあたりが今一番よく枯れていい音なのではないかと思う。裏の板もいい木目を見せている。もちろん作りは国産。で、暇にかまけてそのまま2年、入手してから。ふと思い立ち午後、このギターを弾けるようにしたいと、作業に取りかかる。まずは溝を切ってある方とは反対側をヤスリで削っていく。木工用のいいヤスリを、といっても三千円程度だが、かしかしと動かしてナットを削る。こういう作業は私を無心にさせる。かといって削りすぎるとナット自体だめになる。削りかすが敷いてある新聞紙にたまる。おそらく、牛骨のナットだ。白い粉。おそらく一ミリ半くらい削ってネックにナットをはめ込む。高さ的には良さそうだ。今度は溝を削る。前回はこれで台無しになった。今度はヤスリの種類を変えて削る。まずは目印程度に浅く。その目印が少しずつ片方に寄ってしまった。しかたなし。そのまま作業を続ける。一度調律してみた。少し違和感がある。さらに溝を彫る。また調律する。ナットが片方に余ってしまったが、G/C/D/A/Fと押さえてみて、いい音でなっている。すこし金属的な感じがする初期ビートルズのコードストロークのような。いい感じだ。さて、片方にあまったナットは削り落とす。結構な手間。ついでにもう一方も手に触るので削る。すこしヘッドまで削れてしまった。塗装がこすれた程度。ローコードではなかなか弾きやすく音もいい。ハイコードは少し弦高が高く押さえづらい。もしハイコードを多用するなら少しネックの調整が必要かもしれない。とりあえず、弾けるギターには直せた。達成感が心地よい午後だった。
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