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2020年10月18日日曜日

営業とラジオ

 


営業まわりをしていた頃、車内はラジオが楽しみのすべてだった。私はおもに文化放送を聞いていた。TBS派もいればニッポン放送派もいて、たまにNHKという人もいた。まだAMラジオしか営業車にはついていなかった。のらむらくにまるの朝ワイド(名前忘れた)梶原しげるのほんきでどんどん。吉田照美のやる気まんまん。やるまんはもうしばらく前に終わってしまったが、お助けマンというコーナーが好きだった。馬鹿馬鹿しい無茶ぶり企画なのだが、銀座の舗道に布団を敷いて寝る、とか、お茶の水の明治大学の裏門からはいってそっと薬缶をおいてくるとか、下ネタの言葉を混ぜ込んだ一般人へのインタビューとか、その時間はできるだけアポを避けたものだ。そしてちょうど事務所へのかえりに「おれにいわせろ」というみうらじゅんやえのどいちろうが放談するコーナーがあってそれもおもしろかった。すれ違うほかの営業車でもおなじものを聞いているのか、ふと横を見るとにやにやしたり大笑いしたりしている。あのころは道がものすごく込んでいた。今同じ道を通っても七割程度に時間が短縮されている。景気と交通量には相関があるという言うのが私の肌感覚で、確実に経済は当時より縮小しているのだと思う。外回りから内勤に異動になるとき、やるまんが聞けなくなるのが一番の残念だったが、録音してまで聞こうとは思わなかった。あれほどけなしていた小俣雅子と不倫報道がでたときにひどくがっかりした記憶がある。そのやるまんも遠い番組となり、FMもワンセグも、CDですら聞けるようになり、車が変わってCDが聞けなくなったと騒いでいる部下をみて、何しにきている、と心の中で思ったりしたが何のことはない、昔の自分がそこにいるのだ。

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