相場のいらいら
夢のように資産が増えていく相場というのはそうそう訪れない。記憶では2014年にそういう相場があった。そのとき、精神的にどん底で、無理をしながら毎日胃をおさえつつ職場に行っていた。小さい分室に異動させられていたので、話し相手も相談相手もなく、ひとりで苦しんだ。しかし、裏腹に仕事は順調で忙しい、相場もみるみる資産が増える、そういっためずらしい状況を経験した。といっても今までの負けが半分に減っただけだが。そして、いつもは小動きのいらいら相場が続く。為替は動いてもゆくゆくは戻り、そのたびにロスカットで資金がやせてゆく。そのままにしてある投資信託は信託報酬手数料ばかりとられ、大きく下げ、戻りは鈍い。これ以上減らしたくない、と一進一退を繰り返しているときに、突然、悪材料がふってわいて大幅に下げがくる。本当に腹が立つ。しかし、どうにも身動きのしようがない。そういうときには下げの途中に買い増ししてフルインベストのことが多い。そしてこういうのを「へたくそ」という。へたくそを棚に上げて機嫌を悪くする。ディスプレイを叩き割りたくなる。実際、ディスプレイやマウスを何度も壊した、という有名個人投資家の話を聞いて、うまくてもへたでも画面に八つ当たりするんだな、と妙に納得する。うだうだ、いらいらとする事が多い。待つことも多い。しかもうんざりするぐらい心理的に長く。人が思っていることがチャートにでる。だからといって思うとおりにはならない。誰もが損失を抱えているときに自分だけ利益をあげるというのは本当に難しい。せいぜい損失が人より少なくやれるくらいだ。反面、相場がいいときはだれでも儲かっている。樹液に虫がたかって枝がたわんでいるような状態。まもなく樹液は枯れ、たかっている虫は枝の張力にはねとばされる。そのまま死んでしまう虫もいれば、振り落とされずに踏ん張れた虫もいる。虫にはより大きな黒い鳥が襲いかかる。烏ではなく、黒鳥という。珍しくも何ともなくなった。いらいら相場の上空をゆうゆうと旋回している。
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