平日の世界
街に出てみると年輩者の割合が本当に増えた。以前は男性ひとりの年輩者が多かったように感じていたが、いまは老夫婦も多い。中年というか初老というか、そのような年齢の私が夫婦で歩いているとやたらと老年男性と目が合う。なぜかその視線はきつく感じる。「おまえは平日に何をこんなところでぶらぶらしている?」と上司的線を感じるのは被害妄想というものだろうか。平日には平日の世界がある。おまえはまだ早くないか?と。はい。早いです。とでも誰にともなく開き直りたくもなるが、そもそも平日に何もしていない事を罪悪と感じる長年の勤め人の心根に由来して勝手に後ろめたく感じている。故に、土日は街に出ても別に何も感じないし、そもそも土日の世界は休日の世界であり、休日のある人生を送っている人のものだ。そこに何食わぬ顔で紛れる。おなじ平日でも、土日以外が休日ならば、平日の世界からの視線も全く気にならなかった。というか、そもそも平日の世界からの視線などと言う存在しないものを感じることもなかった。休日出勤が多く、平日に休むことも多々あった。そのときの晴れ晴れとした平日の世界は失われてしまった。そういう生活に足を踏み入れたのだ。
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