黄色いドレッシング
外出の昼食、性懲りもせずインドカレーの店でバイキングを注文する。前回、ナンがあとから腹に膨れて、本当に死ぬ思いをしたので、今回は心から気をつけようと思った。折しも、相場で、ちょっとしゃれですまない金額の含み損を抱えていて、やけのやんぱちな気分でもあった。もう、豪勢に夫婦でバイキング、しかし、決して卑しくはなるまいと、サラダから攻めていった。が、言っているそばからすでに、サラダだけでも卑しくてんこ盛りになっていて、その皿を見た妻はそれだけでもう半ばあきれ顔に、だいじょうぶぅ? と責めのニュアンスを含みつつ口を出してくるのだった。やはり、ここに来たからにはタマネギピクルスは欠かせない。お皿の四分の一はごっそり盛ってひいひいいいながらしゃくしゃくと真っ赤なタマネギを咀嚼するのだった。そういえば、前回触れなかったと思うが、ここのドレッシングは、ちょっと独特で、黄色くて甘いドレッシングだ。何のドレッシングなのか聞いてみたが秘密、とインド人店員に言われた。そういうときは俄然実験者としての血が騒ぐ。あの黄色、あれは、サフランか、ウコンか、おそらく酢も入っているだろう。フレンチドレッシングに水飴とウコン粉末(ターメリック)であの味は再現できないだろうかと、今、やはり決して卑しくはなるまいと誓った禁を破り、ようやく満腹感も薄れてきた夜九時に配合を思い浮かべているのだった。しかし、辛い物は体が火照って暑くてたまらん。妻は食べ放題だろうと何だろうと決して自分の限界に挑戦するようなまねはしない。その辺がすこし腹立たしくもあるが、帰りの運転はしっかり妻に任せたのだった。
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