給料日
私がいた職場の給料日は毎月二十日だった。ほかは二十五日のところが多いようだが、給料日というと二十日と胸に刻まれている。思えば、今日は二十日で、給料をもらっている昔の仲間を少しだけ思い出す。給料日だからと言って特に飲みに行くでもなく、給料明細すら配られなかった。自分でプリントアウトするのだが、下手に情報が残っていて給料丸出し、なんてこともあり得た。事実、同僚の明細がコピー機に残っていて、ちらりと見ただけで机の上に伏せておいた。だいたい幾らなのかはわかる。忙しい、と言って人様に比べればほんのひとつまみの塩のような残業だが、それでも何十時間となれば給料はかなり膨れた。いわゆるサブロク協定を結んでいたので、その分まではきちんと残業も付いた。しかし、サービス残業をしている人間もいた。どこまでを仕事とするかは各自の裁量に任されていたので、それこそ、机の整理から残業にするものもいれば、自分が納得行かない仕事だったから、と残業をつけない人間もいた。しかし、上司は皆、した残業をきちんとつけるように指導していたので、自己申告と言っても変な残業の付け方をする人間はあまり聞かなかった。これからは残業もきっと力で抑制されていく。残業代がないと給料はいいとは言えない職場だったので、とくに、若い連中にとっては厳しい時代が続くだろう。
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いつかのはつかに書いたものです
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