師走
もうじき師走だ。年月が経つのが早い、とみんなが言っていたのを少し同意しかねる気持ちでここ数年相づちを打っていた。なぜなら、私にとっては勤め人後半はもう地獄のような、マラソンのゴール数キロ前のような、日々どうして過ごそうかという苦痛の時間でしかなかったので、そのすすみ具合はとてつもなく遅かった。カレンダーに斜線を引いて、後何日、後何日と最終出社日をカウントダウンするような具合だった。それはもう、完全に私の気持ちの問題だったので、端から見れば意気地なしとしか思えなかっただろうと思うが、当人にしかわからない苦しみの日々だった。そこから解放されて数ヶ月経つが、その日々はまさに、矢のようにあっという間に過ぎていった。嫌なことをしないと日々の経つのが早い。そして、単調だ。気がつけば今日もろくに何もしていない、という日が続き、そのうちそれが日常となる。今は、相場に張り付いて忙しくなってきたがそれでも嫌なことをしていないのであっという間に一日が終わる。充実しているのかどうなのか、よくわからないがなんやかやとやることがあるようなそうでもないような。こんな日々を夢見ていたわけではないが、勤め人から解放されるという夢はいつも見ていた。
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