三つに切ると、真ん中にハムとチーズが切れない包丁に縁を押しつぶされたパンいっぱいに満ちている一切れができる。六枚のパンで三つできる。それをだべるときに一番充実した気分になる。久しぶりに食べたら側頭部にしびれのようなじわっとしたものが広がるように旨かった。しょっぱくて、旨かった。以前はこれをアルミホイルに包んで山梨まで持って帰った。チーズが溶けて、水っぽくなってしまった。そんなときはアパートで使っていた火の見えるストーブの上に置いた。今度は乾いてかさかさになったり、焦げたりした。冷蔵庫に入れると堅くなっておいしくない。やはり作りたて、というより、切ったそばから食べるのが一番おいしい。パンを半分残したその翌々日、今度は少し腹が減りすぎて、キツネうどんと件のサンドイッチを昼食にしてもらった。キツネうどんはアルミの器に入った特価の物で、妻が一緒に食べようと買ってきてあったものだ。長年の夫婦でも、たまに、同じ物を一緒に食べたい、などといわれると妙に愛おしく思えてくる。先にサンドイッチを作ってからキツネうどんを作り始める。その間、妻の言葉に従ってうどんができるまで待った。古いコンロは一度に二つの鍋をかけるのに手間取るので、一つのコンロで二つを作る。二つ目ができ終わるまで待っていたらサンドイッチの端っこが乾いてしまった。二人でアルミ鍋のうどんを一緒に食べた。その後私だけサンドを食べた。太るわけだ。
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